死亡事故の損害は積極損害、逸失利益、慰謝料に分けられます。
積極損害とは事故に遭ったために支出を余儀なくされた損害のことです。
死亡事故の場合、主に葬儀関係費となりますが、死亡までの医療費や入院中の雑費などがあれば積極損害に加えられることになります。 死亡までの医療費等がある場合は傷害事故の損害算定をご参考ください。
逸失利益とは事故に遭わなければ得られたはずの収入のことです。
例えば年収500万円で、あと10年は働けるはずだった人が死亡した場合は、5000万円の減収になります。(実際にはもっと 複雑な計算をして算出します)
しかし、被害者が 生存していれば、生活費がかかったはずですので被害者の年収から被害者自身の生活費を差し引くことになります。
死亡事故の損害賠償額=積極損害+逸失利益+慰謝料
積極損害:事故に遭ったために支出を余儀なくされた損害 | |
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葬儀関係費 | 葬儀費は130万円~170万円が基準遺体運送料は実費が認められる。 墓碑建立費は原則認められない。 香典返し、弔問客接待費などは認められない。 |
死亡までの医療費等がある場合 | 傷害事故の損害算定を参考 |
死亡事故の逸失利益=収入額(年収)×(1-生活費控除率)×中間利息控除係数
逸失利益:事故に遭わなければ得られたはずの収入 | |
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収入額 | |
サラリーマン | 原則事故前の現実の年収額 |
自営業 | 原則確定申告時の申告額 |
主婦 | 賃金センサスの女子労働者の平均賃金 |
学生等 | 賃金センサスの平均賃金 養育費は控除しない |
無職者 | 賃金センサスの平均賃金 |
生活費控除率 | |
一家の支柱 | 30~40% |
男子独身者(男児を含む) | 50% |
女子(主婦、女児含む) | 30~40% |
中間利息の控除
逸失利益では将来得るはずの利益分を現在受け取るので、中間利息を差し引かなければなりません。
例えば今後20年間の収入3000万円を今受け取り、これをもし運用したとすると20年後には3000万円プラス利息となり、被害者は損害以上の賠償額を受け取ることになります。
中間利息の控除は年間純利益(収入から生活費を差し引いたもの)に中間利息控除係数をかけることによって行います。
中間利息控除係数にはホフマン式(単利計算)とライプニッツ式(複利計算)の2種類がありますが、現在ではライプニッツ式が主流です。
詳しくは中間利息控除係数をご覧ください。
慰謝料:精神的な苦痛に対する損害賠償 | |
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一家の支柱の場合 | 2600万円~3000万円 |
一家の支柱に準ずる場合 | 2300万円~2600万円 |
その他の場合 | 2000万円~2400万円 |
被害者が一家の支柱の場合とは、被害者の世帯が被害者の収入によって生計を維持している場合です。
また、一家の支柱に準ずる場合とは、家事の中心をなす主婦や養育を必要とする子を持つ母親、高齢な父母や幼い兄弟を扶養、仕送りしている独身者などです。
慰謝料とは精神的な苦痛に対する損害賠償です。その性質上、明確な数字で示せるものではありませんが、上記金額を一応の目安とお考えください。